
クリスマスが終わるとすぐにお正月です。
今回はお正月を意識した、日本らしい染色技法をご紹介します。
板締め絞りという技法で、風呂敷としても使える生地を染めてみました。
板締め絞り(いたじめしぼり)とは?
生地を折りたたみ、木の板で挟んで染める染色方法です。
挟まれているところは染料液が入らないので、規則的な模様を作ることができます。
今回はちょっとした工程の違いで、2パターンの柄を作ってみたいと思います。
用意するのも
・PAC FABRIC DYE (NAVY BLUE使用)× 1パック
・綿の生地
・お塩
・容器(バケツなど)
・ボウル(染料を溶かす用)
・泡立て器
・ゴム手袋
・衣類用洗剤
・木の板 × 2枚
・太い輪ゴム × 数本
・アイロン
*生地は予め洗って、乾かしておきます。

板締め絞りに使う木材は同じ大きさのものを2枚ご用意ください。
厚さは1cm前後で表面が平らなものが使いやすいです。

染料の量の目安
通常は染めるものの重さで染料の量が決まりますが、
板締絞りの際は「染めるものが浸かる量」が目安になります。
板で縛った状態でどれくらいの水量があれば浸かるかを見て判断してください。
今回が2Lくらいの水量があれば浸かりそうなので、分量は1パックの3分の1使うことにしました。
キットに入っている染料・固着剤・色止め剤は1袋の3分の1。
お塩は100g。お湯は2Lで染色をします。

染め方の手順
1、生地を木材の大きさを目安に折りたたみます。
畳むときはジャバラにたたんでください。

アイロンを使って折り目をつけるとキレイにできます。

挟む木材と同じ大きさ、または木材より小さくなるようにたたんでください。

2、木材でたたんだ生地をはさみ、輪ゴムでしっかりと固定します。
今回は2個作ります。1つは水に浸けておきます。

3、染料を溶かします。
キットに入っている染料の1袋の3分の1をボウルに入れ、40〜50℃のお湯約160mlで溶かします。
泡立て器を使うと溶かしやすいです。

4、固着剤(1袋の3分の1)とお塩100gを容器に入れ、40〜50℃のお湯約2Lで溶かします。

5、溶かした染料を入れて混ぜます。

6、生地を浸けます。
ひとつは水に浸けて濡らしてから染色液に浸け、もうひとつは乾いた状態のまま染色液に浸けます。

7、木材が付いていると浮いてきやすいので、できる限り沈めるようにして1時間浸けます。
染料液は冷たくなってきますが、加熱や保温する必要はありません。

8、お水ですすぎます。
木材をつけたまま、洗剤を入れてお水が透き通るまですすぎます。

9、木材を外し、生地を広げて再度すすぎます。

10、色止めします。
容器に40〜50℃のお湯を生地が浸かる量(約2L)入れ、キットに入っている色止め剤(1本の3分の1)を溶かします。
すすいだ生地を入れ、ときどき混ぜながら15分間浸けます。

11、お水が透明になるまですすぎ、脱水、陰干ししたら完成です。
↓こちらは一度水に浸けて、濡らしてから染色液に浸けたもの。
予め水で濡れているので中まで染色液が入らず、外側の染色液に触れていた部分だけが染まります。

こちらは乾いた状態で染色液に浸けたものです。
中央に向かって染色液がしみているのがよくわかります。
繊維を伝って液体が吸い上げられる、毛細管現象という現象です。

水で濡らすかどうかで染まり方がこんなに変わってくるとは面白いですよね。

風呂敷として使うととてもかわいいです。

みなさんはどちらの柄がお好みですか?
簡単なのでぜひ挑戦してみてくださいね。
使い終わった木材は?
お水でよく洗って乾かしておけば、また使うことができます。
染料の色が木材に染み込んでしまいますが、次に使うときは木材と生地の間に紙(コピー用紙など)を挟んで染めると、生地への色移りを防ぐことができます。
使用した染料
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